あの人はなぜ若く見えるの?その違いは「あるものの」の差
男女問わず、若さと健康は人類の永遠のテーマと言えるでしょう。誰しもがいつまでも健康で若々しくいたいと思っているのではないでしょうか?皆さんの周りにも実年齢よりも若く見える人や老けて見える人、また長生きする人もいればそうでは無い人もいます。その差は何だと思いますか?
その違いは、ずばり「幹細胞」の数によって大きく変わってくるのです。幹細胞は生きていくために無くてはならないもの、無くなれば生きられないのです。幹細胞は生まれた時が最も数が多く、成長と共に使われ体がある程度出来上がる年齢で新生児の4分の1まで減ると言われています。消費は成長過程で避ける事は出来ないので、その消費のされ方によって、若く見える人、長生きできる人の差が生まれるのです。
「幹細胞」はさまざまな“細胞”の元になる「細胞」です。私たちの体は60兆個(諸説有)もの細胞で出来ていると言われていますが、その細胞を作り出す元になっているのが「幹細胞」です。あらゆる組織や臓器、筋肉も骨も血も、そして肌も細胞で出来ています。それぞれの細胞にも寿命があるので、役割を終えた細胞は死に新たな細胞へと生まれ変わるのです。その生まれ変わりに大きな役割を果たすのが幹細胞です。幹細胞があるおかげで、常に新しい細胞を作り出す事が出来るのです。
しかし、幹細胞はあまり働かされると消耗し数が減ります。その幹細胞の消耗具合によって若さや寿命に差が出ると言われています。細胞が持つ通常のサイクル以外に、炎症・ケガ・病気・ストレスなどのアクシデントが起こると、細胞が予定より早く死ぬ事となり幹細胞の出番が増えます。そうすると幹細胞が消耗し数が少なくなっていくと考えられるのです。
幹細胞にできること 幹細胞の凄い能力
幹細胞には2つの能力があります。自分自身と同じものを作り出すことができる『自己複製能』と言う能力と、自分とは違う細胞になる事ができる『多分化能』と言う能力です。この能力、凄くないですか?
幹細胞の能力について分かりやすく説明する為に、プロ野球チームに例えて考えてみましょう。チームの創設者であるオーナーは受精卵です。オーナー(受精卵)はチーム(身体)を大きく強くする為に、選手(細胞)を増やします。選手(細胞)は投手・捕手・野手(皮膚・筋肉・骨・血液…)など、それぞれのポジションで役割を得ます。選手(細胞)が働く各グループのリーダーが監督・コーチ(幹細胞)です。試合で活躍する選手(細胞)とは大きく違い、自分の分身を育て(自己複製能)たり、引退したり移籍したり怪我等のトラブルによっていなくなった選手(細胞)の代わりを育てる(多分化能)ことが出来ます。監督・コーチ(幹細胞)は選手が使えなくなったりいなくなった時に備えて、自分の分身(幹細胞)を増やしておき、いざと言う時の為に代わりの選手(細胞)を育てるのです。ただ、それには限度があるので、トラブルによって使えなくなった選手(細胞)が多くなると、監督・コーチ(幹細胞)も予定より早く退く事になり、チーム(身体)も弱くなっていくのです。
注目される『再生医療』
今、私たちの身体にある幹細胞は “体性幹細胞” と言われるものです。この生まれ持った体性幹細胞が無くなると人は死んでしまいます。逆にこの体性幹細胞が無くならなければ、細胞を作り続ける事ができるので、理論上は死なない事になります。体性幹細胞が減る事は避ける事は出来ませんが、この体性幹細胞から作った細胞や臓器の一部を使った医療は既に行われており、『再生医療』と呼ばれています。
失われた組織や臓器を再生できる可能性が期待され、ES細胞やiPS細胞が注目されているのです。将来的には治療が困難と言われていた病気も再生医療によって治せる可能性がありますが、ES細胞やiPS細胞を使った治療を受けられるにはまだまだ時間がかかりそうですし、現状は非常に高額な事もあり全ての人が受けられるものとはとても言えません。今私たちにできる事は自分が本来持っている大切な体性幹細胞を減らさない事です。
そこで注目されているのが幹細胞を培養する過程で生じる上積み液(培養上清)だけを抽出した「ヒト幹細胞培養上清液」と言われる研究用試薬を使った再生医療です。誰もがいつまでも健康で若々しくいたいとの思いを叶える身近な可能性として、医療や美容など様々な分野で注目されています。「ヒト幹細胞培養上清液」については別の記事で詳しく説明しているのでご覧ください。
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